思いついたらおうちの近くから。さあ出かけよう。四国の酒蔵88箇所巡礼の旅


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第四十九番酒蔵札所 「城川郷 中城本家酒造」
住所: 愛媛県西予市城川町嘉喜尾1319
TEL: 0894-82-0146
営業時間: 8時30分〜17時30分受付。要電話予約。

[花咲く蔵]

 『中城本家酒造』のある嘉喜尾一帯は「龍の口」と呼ばれている。山間を流れる川に沿った谷の出口という意味らしい。山中の蔵では、水は、仕込み水になると同時に水車精米にとっても大事なものであった。蔵主の中城さんによれば、交通の便が悪い山中では酒蔵は各郷に一つずつ造られた時期もあったとのこと。中城家の先祖も、明治時代に農林業から酒造りに転業したらしい。
  中城さんは4代目、小さい頃より蔵主になるべくして育てられ、松山の高校から東農大という酒造りの王道を歩んだ。至るところ清潔に整理整頓され、見るからに真面目一徹に酒造りをされているのがよく分る。
  プライベートではいつもリーダー役。高校から始めたサッカーが昂じて作った社会人チームは、愛媛リーグを引っ張るまでに昇華した。また、地域興しの為に、魚成地区の若手を育てる地域の塾の塾長も務める。業界でも人望を得て愛媛県酒造組合の理事長の大役もこなした。若い人を集めて次代の人材を育てる為に頑張っていたのだが、可哀想なことに、どうも家族からは「みんなで集まって酒を飲んでいるだけ」にしか見られていなかったらしい(笑)。なににつけても 「道」を究めようとすれば常に孤独なものである。
しかし、手塩にかけて育てた息子の文吾さんが立派に道を継いでくれるようになった。「うちは家族で頑張る蔵ですから」と話す文吾さん、40歳になってますます腕に脂がのってくるころである。お父さんの酒つくりも人つくりも、ようやく花が咲きかけようとしている。

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「肱川の支流の流れる城川町」
肱川の支流の流れる城川町

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「蔵玄関」
蔵玄関

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「帳場から」
帳場から

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「蔵主の中城さん」
蔵主の中城さん

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「頼もしい息子の文吾さん」
頼もしい息子の文吾さん
酒蔵さんから
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四国の山奥にかまぼこの板を観に行く
2008.02.09

 城川町の道の駅から少し山手に登ったところに、『ギャラリーしろかわ』という、こぢんまりした美術館が建っている。ここは「横山大観」や「マリー・ローランサン」も蔵する、れっきとした西予市の市立美術館なのであるが、こんな山中に隠れ家よろしく鎮座しているので、知らない人はこじゃれたカフェ・ギャラリーだと勘違いしてしまう。

 この美術館の目玉は、何といっても『かまぼこ板の絵展覧会』。平成7年から始まり今年で14年目を迎え、全国の老若男女から「かまぼこの板」に描いた絵を募集しそれを展示していくだけのもの。とは言え、その数たるや半端ではなく、丹念に観ていくと2〜3時間はかかろうというもの。撮影は禁止なのでお見せ出来ないが、一昨年高松から訪れた際は、ここの見学だけで一日仕事となってしまった。応募期間は毎年2月から4月、審査は6月で、夏〜秋の展示である。なぜ冬は展示しないのかと言えば、それは・・・こんな山奥では雪深くて誰も観に来れないから。(笑)

 知り合いのかまぼこメーカーの社長さんに、かまぼこ板について訊いてみた。主に12cm×4cm前後であるらしいが、規格がある訳ではなくメーカーによってバラバラだそうだ。城川町は木材の町であり、八幡浜のかまぼこ業者がここの木材のかまぼこ板を用いていた縁で、このイベントを始めたらしい。ちなみにこの社長の会社にも、「展覧会に送るので、かまぼこ板『だけ』を譲ってくれ」といった要請が年数回は来るという。皆さん!趣旨がどーのこーのと言うつもりはありませんが、日本人はお魚で育った民族なんですから、ちゃんとかまぼこを食べた上で、残ったかまぼこ板に絵を描きましょうね。(笑)
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「白壁造りのギャラリー。」
「白壁造りのギャラリー。」
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